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平成30年度 生物共通科目

生物科学専攻科目内容

インターラボ
 生物科学専攻では、(1)細胞内の構造や機能および遺伝子の発現過程を主な研究目標にした、分子 生物学、細胞学、生化学、生理学などのミクロ研究や、(2)生態学、行動学、系統分類学、人類学など野外のマクロ研究の双方に力を注いでいる。北部キャンパス、霊長類研究所、生態学研究センター、瀬戸臨海実験所、および原子炉実験所など研究の現場に出かけ、これらの広範囲な研究領域について、研究目標や研究方法および先端的な研究内容の概略を学ぶ。
 以下の5カ所における内容の通りである。
 2から5は、年度によって順番は異なる。
1.ウェルカムレクチャー:北部キャンパスにて、動物系、植物系、生物物理系、霊長類系、生態 学研究センターの若手研究者による各研究分野の最先端研究について学ぶ。
2.霊長類研究所・日本モンキーセンターにて研究活動や先端研究を学ぶ。
3.生態学研究センター・京都市動物園にて研究活動や先端研究を学ぶ。
4.原子炉実験所にて研究活動や先端研究を学ぶ(今年度は実施しない)。
5.瀬戸臨海実験所にて研究活動や先端研究を学ぶ(1泊2日)。
統合生物多様性論
生物の多様性をミクロ生物学およびマクロ生物学の両面から論議し、また両者の統合による生物多様性の新たな理解に向けた研究の展開を論議する。
 生物の多様性について、いろいろな階層から見渡せる能力を身につける。
第1回 分子進化と生物多様性(岩部直之)
第2回 動物の多様性と個体発生(高橋淑子)
第3回 動物形態の多様性と骨格形成機構(船山典子)
第4回 化石霊長類の多様性と時代変化(中務真人)
第5回 系統分類学から読み解く動物地理(岡本 卓)
第6回 植物の多様性と分類学(田村 実)
第7回 植物の光応答機構(長谷あきら)
第8回 生物時計の多様性1(小山時隆)
第9回 生物時計の多様性2(沼田英治)
第10回 適応と種の多様化(曽田貞滋)
第11回 海洋プランクトンの多様性と生物地球化学(遠藤寿)
第12回 水界微生物の多様性(程木義邦)
第13回 化学物質を介した植物・動物相互作用(高林純示)
第14回 生態系と生物多様性(谷内茂雄)
第15回 フィードバック
生物科学特殊講義1
生物のバリアシステムの構築と機能
生物にとって、体の外側と内側を区切るバリア(皮膚など)を持つことは、体内の恒常性を維持し、生命活動を続けていくために必須である。体表のバリアはさらに、外界の様々な刺激から生体を守らなければならない。また多細胞生物は、体内をいくつかのコンパートメントに分割して臓器として成り立たせているが、それぞれのコンパートメントの外側と内側を区切るためにもバリアが必要である。バリアは頑丈であると同時に、新陳代謝させて常に新しく作り直すことができるダイナミックなものでなければならない。また、バリアを超えて、栄養物を吸収し、老廃物を排出するメカニズムが必要である。さらに、バリアを 超えて侵入した敵を認識し、倒すシステムがなければならない。様々な生物が持つバリアの多様性と共通性について解説する。
1)イントロダクション:単細胞生物と多細胞生物におけるバリアの基本構築と意義
2)細胞レベルと臓器レベルにおけるバリアシステム
3)皮膚と腸管ではたらくバリアシステム
4)バリアを突破する微生物とのたたかい
5)外界の刺激から体を守る仕組み
6)バリア破綻とアレルギーなど
生物科学特殊講義2
遺伝情報場としての染色体の機能科学
 遺伝情報を担うDNA分子はヌクレオソーム構造を取り、高度に凝集した染色体として核内に存在している。DNAとの相互作用を必要とする転写や修復といった生化学反応においてヌクレオソーム構造は重要な働きをもつ。本講義では、遺伝情報の場としてのヌクレオソーム構造を基本としたクロマチン・染色体高次構造の階層性について解説し、その制御機構や細胞機能について解説する。また、DNA複製や修復・組換えなど染色体機能や細胞周期との関わりについて解説し、染色体を中心とした細胞恒常性維持や、遺伝子多様化による細胞進化の分子機構について解説する。
 以下のプログラムに沿って、2日間の講義をおこなう。
1:イントロダクトリー染色体の構造と機能
2:遺伝子発現制御におけるEpigenetic制御
3:非コードRNAによる染色体制御
4:DNA複製・修復・組換え
5:遺伝情報の利用と応用
6:染色体の最先端研究と臨床応用展望
7:小テスト
生物科学特殊講義4
 クロロフィル代謝の機能と進化について研究の歴史から、最新の知見を概説する。
1)研究の歴史
2)クロロフィル代謝の機能について
3)クロロフィル代謝の進化について
4)色素タンパク質の形成と分解
5)最新の知見について
生物科学特殊講義5
植物分子遺伝学 (Plant Molecular Genetics)
 高等植物における多細胞体制の構築および維持機構に着目して、その分子機構について解説する。とくに花器官分化の決定過程、幹細胞の増殖と分化過程における遺伝学的研究の基礎、ゲノム情報にもとづくオミクス研究、イメージング、数理生物学などの一連の植物分子遺伝学について講義する。植物は強力な幹細胞活性を持つ、さらに高度な環境馴化能力を持つことなど、独特の特性を持つ。植物の形作りと植物の生理学について、重要かつ基本的な概念を包括的に理解することを本科目の目標とする。
以下の課題について、講義をする予定である
1.モデル植物と遺伝学的解析
2.花器官形成
3.植物の幹細胞
4.網羅的オミクス解析とイメージング解析
5.植物ホルモン応答
6.環境応答と馴化
7.数理モデル解析
生物科学特殊講義7
脊椎動物の形態発生と再生・進化
 動物は受精と同時に誕生し、発生することによってその基本形態を作る。できた形態をもとに個体を維持しながら成長・成熟し、場合によっては形態の一部を作り直し(再生)、生殖によって子孫を残し、そして死ぬ。この繰り返しが生殖細胞に変化をもたらすときに進化が生じる。進化によって生じた変形や新奇性が個体に現れるのは、多くの場合、形態が作られる間、すなわち発生過程である。現代まで続いた進化の結果として地球上に生息する多様な動物を対象にそれらの発生の基礎を学び、個体生物学の基礎としての動物発生の観点から、生命観について考察することを目的とする。
 以下の内容の講義を集中講義として行う。
1 生と死を考える
2 脊椎動物の生殖様式と戦略
3 脊椎動物の左右軸形成(内臓逆位と繊毛の回転)
4 器官構築:耳、顔、手足
5 器官再生:四肢再生
6 形態進化とゲノム変異と発生変形
生物科学特殊講義9
 本集中講義は学外の講師により行われ、霊長類研究所所属の教員によって通常行われる科目ではカバーできない研究のトピックが紹介され、研究における視点や研究内容について学ぶ機会となる。
科目名:生物科学特殊講義9
テーマ:機能形態学(絶滅動物の古生態復元)
講 師:藤原慎一(名古屋大学博物館)
第1回 イントロダクション―機能形態学
第2回 地球史と四肢動物の進化1
第3回 地球史と四肢動物の進化2
第4回 四肢動物の基本的な筋骨格系
第5回 形態から得られる物理量1―長さ・重量
第6回 形態から得られる物理量2―かたちを回転体としてとらえる
第7回 形態から得られる物理量3―かたちを弾性体としてとらえる
第8回 現生動物の骨から、その姿勢を復元できるか実践してみる
第9回 骨の形から行う絶滅動物の復元1―骨格を組み立てる
第10回 骨の形から行う絶滅動物の復元2―体の輪郭を復元する
第11回 骨の形から行う絶滅動物の復元3―陸上運動した場合の基本姿勢を復元する
第12回 骨の形から行う絶滅動物の復元4―陸生か水生かの判断基準を探る
第13回 まとめ
生物科学特殊講義10
 本集中講義は学外の講師により行われ、霊長類研究所所属の教員によって通常行われる科目ではカバーできない研究のトピックが紹介され、研究における視点や研究内容について学ぶ機会となる。
生物科学特殊講義10
データ解析のための統計モデリング入門
久保拓弥(北海道大学・地球環境科学研究院・環境生物科学部門・陸域生態学分野)
1. 統計モデリング入門:確率分布と最尤推定
2. 一般化線形モデル:ポアソン回帰
3. 一般化線形モデル:モデル選択と尤度比検定
4. 一般化線形モデル:ロジスティック回帰など
5. マルコフ連鎖モンテカルロ法の準備
6. ポアソン回帰のベイズモデル化
7. 一般化線形モデルの階層ベイズモデル化
8. 階層ベイズモデルの応用
9. 時間変化データの統計モデル:あぶない回帰 1
10.時間変化データの統計モデル:あぶない回帰 2
生物科学特殊講義11
担当:国立研究開発法人農研機構農業環境変動研究センターユニット長
   三中 信宏
生物科学特殊講義12
 霊長類学とは、ヒトを含む霊長類(Primates)を対象に、ミクロからマクロまで、分子・ゲノムから社会・生態まで、多角的な手法・視点から研究することによって、「人間とは何か」「われわれはどこから来たのか」という問いに答えていこうとする学問である。本科目では、ひとつの研究テーマに対して霊長類学がいかに幅広くアプローチしているかについて、リレー形式で講義を行う。本年度のテーマは「数の霊長類学」である。このテーマについて、進化形態学、分子生物学というそれぞれの手法での研究の現状と展望を講義する。
1.数の形態学(担当:西村剛)
 1-1. 形態学的特徴における数の変化と適応
 1-2. 系統分岐による種数の変化と適応放散
2.数の分子生物学(担当:今井啓雄、今村公紀)
 2-1. 遺伝子における数の変化
 2-2. 細胞における数の変化
3.総合討論(「数の霊長類生物学ー脳科学と認知の視点から」と共通)
 霊長類生物学を通して研究の現状と展望を議論する。出席者からの質問・疑問・コメント等に答える形で進行する。また、付随する最新のトピックスを紹介する。
生物科学特殊講義13
☆数の霊長類生物学-脳と認知と行動の視点から-☆
 霊長類学とは、ヒトを含む霊長類(Primates)を対象に、ミクロからマクロまで、分子・ゲノムから社会・生態まで、多角的な手法・視点から研究することによって、「人間とは何か」「われわれはどこから来たのか」という問いに答えていこうとする学問である。本科目では、ひとつの研究テーマに対して霊長類学がいかに幅広くアプローチしているかについて、リレー形式で講義を行う。本年度のテーマは「数の霊長類学」である。このテーマについて、神経科学、比較認知科学、行動学というそれぞれの手法での研究の現状と展望を講義する。
1.数の神経科学(担当:大石高生)
 1-1 ニューロンの個数(進化と情報処理)
 1-2 「数」をあつかうための神経機構
2.数の比較認知科学(担当:友永雅己)
 2-1. 「数える」
 2-2. 「比べる」
3.数の行動学(担当:香田啓貴)
数量判断が関与する生態学的適応と戦略
4.総合討論(「数の霊長類生物学I 形態と分子との視点から」と共通)
霊長類生物学を通して研究の現状と展望を議論する。出席者からの質問・疑問・コメント等に答える形で進行する。また、付随する最新のトピックスを紹介する。
野外生物学実習A
 原生的な自然の残る屋久島で、参加者一人一人が主体的にフィールドワークを行うことを通じて、野外調査の面白さや、難しさを経験することを目的とする。
また、以下のような基礎的な野外調査の技術を習得する。
・安全の確保や、地図の判読などの基礎的な野外活動の技術を習得する。
・野外での試料採取、動物や植物の観察、試料の処理、基礎的なデータの整理など、野外での調査方法を習得する。
・英語でコミュニケーションを取りながら、参加者同士で、共同生活や共同作業の経験を積む。
本年度は、ニホンザルの分布を調査する班と植物を調査する班に分かれて実習を行う。
野外生物学分析実習A
 フィールド科学実習で採取してきた野外サンプルからDNAを精製して、その中から必要な遺伝子情報を引き出す前処理をしてから、シークエンサーで目的とするDNA配列を取得し、それらの情報を処理して、どのようにして野外サンプルから必要な情報を引き出すかを習得し、フィールドワークと組み合わせるとどのような解析が可能になるかを実体験を通して学ぶ。
具体的には、サルや他の動物の糞からDNAを精製し、ホストのゲノムDNAから目的のゲノム断片をDNAキャプチャー法で取り出し、それらを次世代シークエンサーで読んで、ホストのゲノム情報を糞から取得することを行う。また、中級コースとしては、糞の中にある食物の情報を取得するために、ミトコンドリアや葉緑体のDNAおよびrDNAのDNA断片をPCRで増幅後、シークエンスして食物の同定をDNA鑑定によって行ったり、糞の中の腸内細菌のメタゲノム解析を行い、エサと腸内細菌の関係について考察を行う。初級コースとしては、食物候補となる植物や昆虫からDNAを精製し、ダイレクト・シークエンスによってDNAバーコーディングを行うことを実施する予定である。なお、本実習は英語で行われる。
各コースによって、多少のスケジュール変更はあるものの、だいたい初級コースに準じた形で実習は進行する。
第1-2回 野外から取得したサンプルからのDNAの精製の原理と実践
第3-4回 精製したDNAサンプルのquality checkの原理とその実践
第5-6回 精製したDNAサンプルの前処理の原理と実践
第7-8回 精製したDNAサンプルを用いたシークエンスの原理と実践
第9-10回 シークエンスデータの評価と実践
第11-12回 シークエンスデータを用いた解析の原理と実践
第13-14回 フィールドワークの結果とのデータの摺り合わせとポスター発表準備
第15回 結果のポスター発表(発表は英語、試験を兼ねる)
野外生物学実習B
 原生的な自然の残る屋久島で、参加者一人一人が主体的にフィールドワークを行うことを通じて、野外調査の面白さや、難しさを経験することを目的とする。
また、以下のような基礎的な野外調査の技術を習得する。
・安全の確保や、地図の判読などの基礎的な野外活動の技術を習得する。
・野外での試料採取、動物や植物の観察、試料の処理、基礎的なデータの整理など、野外での調査方法を習得する。
・英語でコミュニケーションを取りながら、参加者同士で、共同生活や共同作業の経験を積む。
野外生物学分析実習B
 生物検体からDNAを抽出して配列を解析するための基本的な方法を習得することを目的とする。
 11月頃に本実習に先立って行われるフィールド科学実習と連携し、フィールド科学実習において採集したサンプルからDNAを抽出しその塩基配列解析やフラグメント解析を行うことで、ゲノムの解析手法を身につける。具体的な解析内容は採集したサンプルに応じて異なることがあり、講師を交えた班ごとのディスカッションを通じて実習を進めていく。
 
科目番号 対象 科目名
英語科目名
担当教員 毎週時数 単位 備考
1 2 前期 後期
9900 生物科学専攻インターラボ
Inter Lab Studies, Biological Science
今元 泰
森 和俊
朝倉 彰
岡本 宗裕
服部 裕子
田野 恵三
石田 厚
田中 正之
早川 卓志
後藤 龍太郎
集中 1リーディング大学院必修
9901統合生物多様性論
Advanced Lectures:Integrative Biological Diversity
沼田 英治
曽田 貞滋
中務 真人
高橋 淑子
長谷 あきら
田村 実
小山 時隆
船山 典子
岡本 卓
岩部 直之
谷内 茂雄
高林 純示
程木 義邦
遠藤 寿
2 2 
9904ゲノム科学総論
Genome Science
 集中 1本年度開講せず
9922野外生物学実習A
Advanced training in field biology A
半谷 吾郎
工藤 洋
岡本 宗裕
湯本 貴和
集中 1リーディング大学院必修(9922または9924)
9923野外生物学分析実習 A
Advanced laboratory skills in field biology A
村山 美穂
岸田 拓士
高山 浩司
早川 卓志
木下こづえ
集中 1リーディング大学院必修(9923または9925)
9924野外生物学実習 B
Advanced training in field biology B
杉浦 秀樹
湯本 貴和
 集中1
9925野外生物学分析実習 B
Advanced laboratory skills in field biology B
今井 啓雄
岸田 拓士
早川 卓志
 集中1リーディング大学院必修(9923または9925)
9905生物科学特殊講義1 
Special Lecture on Biological Science 1
久保 亮治集中15 1動物学系
9906生物科学特殊講義2 
Special Lecture on Biological Science 2
廣田 耕志集中15 1動物学系
9907生物科学特殊講義3
Special Lecture on Biological Science 3
   1本年度開講せず
9908生物科学特殊講義4 
Special Lecture on Biological Science 4
石崎 公庸集中15 1植物学系
9909生物科学特殊講義5 
Special Lecture on Biological Science 5
伊藤 寿朗集中15 1植物学系
9910生物科学特殊講義6
Special Lecture on Biological Science 6
   1本年度開講せず
9911生物科学特殊講義7 
Special Lecture on Biological Science 7
田村 宏治集中15 1生物物理学系
9912生物科学特殊講義8
Special Lecture on Biological Science 8
   1本年度開講せず
9913生物科学特殊講義9
Special Lecture on Biological Science 9
長谷川 英祐集中15 1霊長類学・野生動物系
9914生物科学特殊講義10
Special Lecture on Biological Science 10
菊水 健史集中15 1霊長類学・野生動物系
9915生物科学特殊講義11
Special Lecture on Biological Science 11
三中信宏集中15 1霊長類学・野生動物系
9916生物科学特殊講義12
Special Lecture on Biological Science 12
今井 啓雄
西村  剛
今村 公紀
集中 1理学部科目「生物科学特別講義Ⅰ」(7701)と共通科目
9917生物科学特殊講義13
Special Lecture on Biological Science 13
大石 高生
友永 雅己
香田 啓貴
集中 1理学部科目「生物科学特別講義Ⅱ」(7702)と共通科目