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2019年度 生物共通科目

生物科学専攻科目内容

インターラボ
 生物科学専攻では、(1)細胞内の構造や機能および遺伝子の発現過程を主な研究目標にした、分子生物学、細胞学、生化学、生理学などのミクロ研究や、(2)生態学、行動学、系統分類学、人類学など野外のマクロ研究の双方に力を注いでいる。北部キャンパス、霊長類研究所、生態学研究センター、瀬戸臨海実験所など研究の現場に出かけ、これらの広範囲な研究領域について、研究目標や研究方法および先端的な研究内容の概略を学ぶ。
 以下の4カ所における内容の通りである。 2から4は、年度によって順番は異なる。
1.ウェルカムレクチャー:北部キャンパスにて、動物系、植物系、生物物理系、霊長類系、生態学研究センターの若手研究者による各研究分野の最先端研究について学ぶ。
2.霊長類研究所・日本モンキーセンターにて研究活動や先端研究を学ぶ。
3.生態学研究センター・京都市動物園にて研究活動や先端研究を学ぶ。
4.瀬戸臨海実験所にて研究活動や先端研究を学ぶ(1泊2日)。
統合生物多様性論
生物の多様性をミクロ生物学およびマクロ生物学の両面から論議し、また両者の統合による生物多様性の新たな理解に向けた研究の展開を論議する。
 生物の多様性について、いろいろな階層から見渡せる能力を身につける。
第1回   分子進化と生物多様性(岩部直之)
第2回   動物の多様性と個体発生(高橋淑子)
第3回   動物形態の多様性と骨格形成機構(船山典子)
第4回   化石霊長類の多様性と時代変化(中務真人)
第5回   後生動物の多様性と系統進化(中野隆文)
第6回   植物の多様性と分類学(田村 実)
第7回   植物の光応答機構(長谷あきら)
第8回   生物時計の多様性1(小山時隆)
第9回   生物時計の多様性2(沼田英治)
第10回  適応と種の多様化(曽田貞滋)
第11回  海洋プランクトンの多様性と生物地球化学(遠藤寿)
第12回  水界微生物の多様性(程木義邦)
第13回  化学物質を介した植物・動物相互作用(高林純示)
第14回  生態系と生物多様性(谷内茂雄)
第15回  フィードバック
生物科学特殊講義2
進化群集生態学
 多様な生物種によって構成される生物群集の構造と、群集内の生物種のダイナミックな進化は、と もに複雑な生物間相互作用によって規定される。さらに重要なことは、その両者が相互に影響を与 え合うフィードバック・システムであることである。進化群集生態学は、そのフィードバック・システムの解明を目標とする、21世紀の生物多様性科学において重要なフレームワークの一つである。本講義では、まず群集生態学と進化生物学の基礎を解説した上で、それらを統合した進化群集生態学の考え方を説明する。そして、その進展によって、生物群集の振る舞いについてより深く理解が進んできた事やフロンティアについて解説する。講義では演習的要素も組み入れる。
 以下のプログラムに沿って、2日間の講義をおこなう。
1:イントロダクション 進化群集生態学
2:赤の女王と今そこにある進化
3:生物群集の記述法
4:生物群集と生物相互作用のダイナミズム
5:群集に依存した進化〜拡散進化〜
6:進化と群集の双方向相互作用
7:今後の展望〜基礎科学と応用科学〜

2019年9月最終週の2日間での開講を予定している
生物科学特殊講義4
種概念と種分化のメカニズム
 概要:”種(species)”は、生物多様性および進化の重要な単位である。種の概念について述べ、種を認識する上での問題点について解説を行う。また、集団遺伝学的な基礎知識を提供した上で、種の形成機構について、さまざまな観点から説明を行う。 目的:生物多様性創出の原動力となる種分化の機構についての理解を深める事を目指す。
1)さまざまな種概念
2)生物学的種概念と生殖的隔離機構
3)種の認識の困難さ
4)種分化の様式の分類
5)集団遺伝学的観点からの種分化の機構
6)植物の種分化、特に交雑に起因する二次的種分化
生物科学特殊講義5
テーマ:植物の屈性とその分子機構
 生物個体はゲノムという設計図を基にした、分子・超分子装置-オルガネラ-細胞-組織-器官-個体といういくつもの階層からなるシステムである。植物個体レベルの生理現象のメカニズムを理解するには、それぞれの階層で関与する要素と動作原理を理解し、別の階層との関連性を考える必要がある。本講義では重力屈性という植物運動を軸に、それに関わる植物ホルモンの作用機序、遺伝子発現制御と細胞内輸送制御、刺激受容機構などそれぞれの階層において重力屈性を支えるメカニズムを説明する。また、それらの分子メカニズムを追究するための遺伝学的研究法などについて学ぶ。
以下の課題について、講義をする予定である
1:植物の運動
2:植物の屈性
3:オーキシン輸送制御と膜交通
4:オーキシンによる遺伝子発現制御
5:重力屈性の分子遺伝学
6:重力感受機構
7:重力感受細胞におけるシグナリング
8:分子遺伝学実験を計画する
生物科学特殊講義7
オートファジーの作動原理
 オートファジーは真核細胞に保存された細胞内分解系であり、様々な加水分解酵素を持つリソソームに分解対象を送り込むことで分解を行う。オートファジーの最大の特徴は細胞内のほぼあらゆるものを分解できる点にあり、タンパク質、核酸、脂質などの生体高分子のみならず、ミトコンドリア、ペルオキシソーム、小胞体、核などのオルガネラや、細胞内に侵入した病原性細菌まで分解対象とする。このようなオートファジーの持つ特異な分解能力は多くのオートファジー関連タンパク質群により担われている。最近になり、オートファジーはタンパク質や核酸などが液-液相分離することで形成される“膜のないオルガネラ”の分解も担うことが明らかとなってきた。さらにオートファジーを支えるメカニズム自体が、液-液相分離を利用していることもわかってきた。本授業では、オートファジーのメカニズムとその多彩な生理的役割を理解するとともに、生物学において重要な新概念である液-液相分離についてオートファジーとの関連を通して理解することを目的とする。
 以下の内容の講義を集中講義として行う。
1 オートファジーの基礎
2 オートファジーの生理的役割
3 オートファジーを担うAtgタンパク質群の構造と機能
4 液-液相分離と膜のないオルガネラの基礎
5 液-液相分離とオートファジー
生物科学特殊講義9
 本集中講義は学外の講師により行われ、霊長類研究所所属の教員によって通常行われる科目ではカバーできない研究のトピックが紹介され、研究における視点や研究内容について学ぶ機会となる。
科目名:生物科学特殊講義9
テーマ:深層学習と画像認識(Deep Learning and Image Understanding)
講 師:柳井 啓司(電気通信大学情報理工学研究科)
1. 【講義】イントロダクション:深層学習が与えた衝撃
2. 【講義】深層学習の基礎1:畳み込みネットワーク
3. 【講義】深層学習の基礎2:学習方法
4. 【講義】深層学習の画像認識の適用:基本ネットワーク
5. 【講義】深層学習による画像生成・変換:敵対的学習
6. 【講義】深層学習応用編:物体検出,領域分割,ドメイン変換
7. 【演習】Pythonと深層学習フレームワークKeras:簡単なネットワークの学習
8. 【演習】学習済モデルの利用とファインチューニング, 独自データの収集
9. 【演習】ネットワークの可視化,物体検出・領域分割
10. 【演習】画像生成・変換ネットワーク,画像ドメイン変換
第12回 骨の形から行う絶滅動物の復元4―陸生か水生かの判断基準を探る
生物科学特殊講義10
 本集中講義は学外の講師により行われ、霊長類研究所所属の教員によって通常行われる科目ではカバーできない研究のトピックが紹介され、研究における視点や研究内容について学ぶ機会となる。
生物科学特殊講義10
テーマ:認知と情動の生物心理学
講師:川合 伸幸(名古屋大学情報学研究科)
ヒトやヒト以外の霊長類の情動や記憶の発達について解説する。また、公平感や不公平感、援助や排除といった相反する社会行動の進化と、その背景にある神経機構に関する知見を提示する。さらに、モノに対して他者の存在を感じるプロジェクション(投射)という新たな概念と実験例を紹介する。
1. 胎児期・新生児期の学習と記憶
2. 高齢期の学習と記憶
3. 怒りの心理・生理反応
4. 高齢者の抑制機能
5. 動物の高次思考
6. 「他者」を感じる心
7. 生得的な脅威検出機構
8. マーモセット自閉症モデル
9. 公平感と第三者罰の進化と発達
10. 排除と援助
11. 総合討論
生物科学特殊講義12
 霊長類学とは、ヒトを含む霊長類(Primates)を対象に、ミクロからマクロまで、分子・ゲノムから社会・生態まで、多角的な手法・視点から研究することによって、「人間とは何か」「われわれはどこから来たのか」という問いに答えていこうとする学問である。本科目では、ひとつの研究テーマに対して霊長類学がいかに幅広くアプローチしているかについて、リレー形式で講義を行う。本年度のテーマは「色の霊長類学」である。このテーマについて、進化形態学、分子生物学というそれぞれの手法での研究の現状と展望を講義する。
1.色の形態学(担当:西村剛)
  1-1. 形態学的特徴における色の変化と適応
 
2.色の分子生物学(担当:今井啓雄、今村公紀)
  2-1. 遺伝子における色の変化
  2-2. 細胞における色の変化

3.総合討論(「色の霊長類生物学ー脳科学と認知の視点から」と共通)
 霊長類生物学を通して研究の現状と展望を議論する。出席者からの質問・疑問・コメント等に答える形で進行する。また、付随する最新のトピックスを紹介する。
生物科学特殊講義13
☆色の霊長類生物学 -脳と認知と行動の視点から- ☆
 霊長類学とは、ヒトを含む霊長類(Primates)を対象に、ミクロからマクロまで、分子・ゲノムから社会・生態まで、多角的な手法・視点から研究することによって、「人間とは何か」「われわれはどこから来たのか」という問いに答えていこうとする学問である。本科目では、ひとつの研究テーマに対して霊長類学がいかに幅広くアプローチしているかについて、リレー形式で講義を行う。本年度のテーマは「色の霊長類学」である。このテーマについて、神経科学、比較認知科学、行動学というそれぞれの手法での研究の現状と展望を講義する。
1.色の神経科学(担当:大石高生)
  1-1 色感覚の神経機構
  1-2 色知覚の神経機構
2.色の比較認知科学(担当:友永雅己)
  2-1. 色の知覚
  2-2. 色の錯視
3.色の行動学(担当:香田啓貴)
  色と生態学的意義
4.総合討論(「色の霊長類生物学I 形態と分子との視点から」と共通)
 霊長類生物学を通して研究の現状と展望を議論する。出席者からの質問・疑問・コメント等に答える形で進行する。また、付随する最新のトピックスを紹介する。
野外生物学実習A
 原生的な自然の残る屋久島で、参加者一人一人が主体的にフィールドワークを行うことを通じて、野外調査の面白さや、難しさを経験することを目的とする。
また、以下のような基礎的な野外調査の技術を習得する。
・安全の確保や、地図の判読などの基礎的な野外活動の技術を習得する。
・野外での試料採取、動物や植物の観察、試料の処理、基礎的なデータの整理など、野外での調査方法を習得する。
・英語でコミュニケーションを取りながら、参加者同士で、共同生活や共同作業の経験を積む。
本年度は、哺乳類の糞に集まる動物についてと、植物の根に共生する真菌に関する調査を行う。班には分かれず、全員がふたつの研究に参加する。
野外生物学分析実習A
 フィールド科学実習で採取してきた野外サンプルからDNAを精製して、その中から必要な遺伝子情報を引き出す前処理をしてから、シークエンサーで目的とするDNA配列を取得し、それらの情報を処理して、どのようにして野外サンプルから必要な情報を引き出すかを習得し、フィールドワークと組み合わせるとどのような解析が可能になるかを実体験を通して学ぶ。
具体的には、サルや他の動物の糞からDNAを精製し、ホストのゲノムDNAから目的のゲノム断片をDNAキャプチャー法で取り出し、それらを次世代シークエンサーで読んで、ホストのゲノム情報を糞から取得することを行う。また、中級コースとしては、糞の中にある食物の情報を取得するために、ミトコンドリアや葉緑体のDNAおよびrDNAのDNA断片をPCRで増幅後、シークエンスして食物の同定をDNA鑑定によって行ったり、糞の中の腸内細菌のメタゲノム解析を行い、エサと腸内細菌の関係について考察を行う。初級コースとしては、食物候補となる植物や昆虫からDNAを精製し、ダイレクト・シークエンスによってDNAバーコーディングを行うことを実施する予定である。なお、本実習は英語で行われる。
各コースによって、多少のスケジュール変更はあるものの、だいたい初級コースに準じた形で実習は進行する。
第1-2回 野外から取得したサンプルからのDNAの精製の原理と実践
第3-4回 精製したDNAサンプルのquality checkの原理とその実践
第5-6回 精製したDNAサンプルの前処理の原理と実践
第7-8回 精製したDNAサンプルを用いたシークエンスの原理と実践
第9-10回 シークエンスデータの評価と実践
第11-12回 シークエンスデータを用いた解析の原理と実践
第13-14回 フィールドワークの結果とのデータの摺り合わせとポスター発表準備
第15回 結果のポスター発表(発表は英語、試験を兼ねる)
野外生物学実習B
 原生的な自然の残る屋久島で、参加者一人一人が主体的にフィールドワークを行うことを通じて、野外調査の面白さや、難しさを経験することを目的とする。
また、以下のような基礎的な野外調査の技術を習得する。
・安全の確保や、地図の判読などの基礎的な野外活動の技術を習得する。
・野外での試料採取、動物や植物の観察、試料の処理、基礎的なデータの整理など、野外での調査方法を習得する。
・英語でコミュニケーションを取りながら、参加者同士で、共同生活や共同作業の経験を積む。
The contents and schedule of the courses in fall is not fixed. We will announce them at the web site below.

Octover 9 Deadline for application

Field course (Yakushima Island, Kagoshima Prefecture)
Nov. 16 Field course starts (Move to Yakushima on this date)
Nov. 17-20 Fieldwork in Yakushima
Nov. 20 Data analysis, presentation in the afternoon
Nov. 21 Leave Yakushima
野外生物学分析実習B
 生物検体からDNAやホルモンなどを抽出して解析するための基本的な方法を習得することを目的とする。
 11月頃に本実習に先立って行われる野外生物学実習と連携し、野外生物学実習において採集したサンプルからDNAを抽出しその塩基配列解析やフラグメント解析を行うことで、ゲノムの解析手法を身につける。具体的な解析内容は採集したサンプルに応じて異なることがあり、講師を交えた班ごとのディスカッションを通じて実習を進めていく。
 
科目番号 対象 科目名
英語科目名
担当教員 毎週時数 単位 備考
1 2 前期 後期
9900 生物科学専攻インターラボ
Inter Lab Studies, Biological Science
中務 真人
田村 実
下村 通誉
友永 雅己
服部 裕子
真田 悠生
石田 厚
新宅 勇太
田中 正之
集中 1リーディング大学院必修
9901統合生物多様性論
Advanced Lectures:Integrative Biological Diversity
沼田 英治
曽田 貞滋
中務 真人
高橋 淑子
長谷 あきら
田村 実
小山 時隆
船山 典子
中野 隆文
岩部 直之
谷内 茂雄
高林 純示
程木 義邦
遠藤 寿
2 2 
9904ゲノム科学総論
Genome Science
 集中 1本年度開講せず
9922野外生物学実習A
Advanced training in field biology A
半谷 吾郎
東樹 宏和
湯本 貴和
集中 1リーディング大学院必修(9922または9924)
9923野外生物学分析実習 A
Advanced laboratory skills in field biology A
村山 美穂
東樹 宏和
岸田 拓士
集中 1リーディング大学院必修(9923または9925)
9924野外生物学実習 B
Advanced training in field biology B
杉浦 秀樹
岡本 宗裕
Andrew MacIntosh
 集中1
9925野外生物学分析実習 B
Advanced laboratory skills in field biology B
今井 啓雄
岸田 拓士
木下 こづえ
 集中1リーディング大学院必修(9923または9925)
9905生物科学特殊講義1 
Special Lecture on Biological Science 1
調整中集中15 1動物学系
9906生物科学特殊講義2 
Special Lecture on Biological Science 2
内海 俊介集中15 1動物学系
9907生物科学特殊講義3
Special Lecture on Biological Science 3
   1本年度開講せず
9908生物科学特殊講義4 
Special Lecture on Biological Science 4
綿野 泰行集中15 1植物学系
9909生物科学特殊講義5 
Special Lecture on Biological Science 5
森田(寺尾)美代集中15 1植物学系
9910生物科学特殊講義6
Special Lecture on Biological Science 6
   1本年度開講せず
9911生物科学特殊講義7 
Special Lecture on Biological Science 7
野田 展生集中15 1生物物理学系
9912生物科学特殊講義8
Special Lecture on Biological Science 8
   1本年度開講せず
9913生物科学特殊講義9
Special Lecture on Biological Science 9
柳井 啓司集中15 1霊長類学・野生動物系
9914生物科学特殊講義10
Special Lecture on Biological Science 10
川合 伸幸集中15 1霊長類学・野生動物系
9915生物科学特殊講義11
Special Lecture on Biological Science 11
 集中15 1本年度開講せず
9916生物科学特殊講義12
Special Lecture on Biological Science 12
今井 啓雄
西村  剛
今村 公紀
集中 1理学部科目「生物科学特別講義Ⅰ」(7701)と共通科目
9917生物科学特殊講義13
Special Lecture on Biological Science 13
大石 高生
友永 雅己
香田 啓貴
集中 1理学部科目「生物科学特別講義Ⅱ」(7702)と共通科目