植物学教室の歴史・概要

生物科学専攻・植物学系の母体となる植物学教室は1921年(大正10年)に、生物学科が動物学科と植物学科に分かれることにより誕生しました。発足当時の植物学科(植物学教室)は、植物学第1講座(植物生理学と生態学)と植物学第2講座(植物内部形態学と細胞学)のみからなる小規模な学科でしたが、1929年(昭和4年)に植物学第3講座(植物分類学)が加えられたことで、当時としては植物学の最も基礎的な分野である生理学・形態学・分類学をカバーする態勢が整いました。その後しばらくはこの体制が続きましたが、1964年(昭和39年)には、植物生態研究施設の1部門が理学部附属植物園に設置され、上記3分野に生態学が加わることとなりました。この後、1988年(昭和63年)には、時代の流れを反映して分子植物学講座が新たに加えられました。また、1991年(平成3年)には、植物生態研究施設の廃止に伴い、植物環境応答機構解析学講座が設置されました。これにより、5分野よりなる植物学教室の基礎が完成しました。この後、1994年(平成6年)の大学院重点化により、植物学科および植物学専攻は廃止され、分子植物科学講座(植物生理学、形態統御学、植物分子細胞生物学、植物分子遺伝学の4分野)と進化植物科学講座(植物系統分類学分野)よりなる生物科学専攻・植物学系として再編成されました。現在は、これら2講座(5分野)を中心に、生態学研究センターや総合博物館の関係教員とも連携し、生物科学専攻・植物学系としての研究および大学院教育を行っています。

資料:
京都大学百年史(1994年)部局編一
京都大学七十年史(1971年)