研究テーマ

１）植物の概日時計システムの階層性

２）植物の光周性反応機構の多様性

３）生物発光レポーター系の開発

４）シアノバクテリアの概日時計の多様性

５）植物–バクテリア相互作用

研究テーマの概要

１）１日を基準に時を計る概日時計は個々の細胞が持つ発振装置です。植物体がもつ個体／器官／組織／細胞など、各階層でどのような時間制御がなされているのかについて、細胞時計の観点から研究しています。

２）光周性反応は季節変化に応じた花成時期制御に重要ですが、その性質は同一種内でも大きくことなることが知られています。様々な地域から取られたウキクサの仲間を材料に、種内の多様性や光周性反応そのものの多様性の理解に取り組んでいます。

３）概日リズムを含め遺伝子発現レベルで見られる様々な生理学的現象の非侵襲的な時空間的解析を可能にする生物発光レポーター系の開発を進めています。

４）シアノバクテリアはロバストな概日時計をもつ唯一の原核生物です。シアノバクテリアの中には、必須の時計遺伝子をなくしている種類がいくつか知られています。そのような多様性を生み出す進化の道筋を時計因子の配列と機能変化から解明しようとしています。

５）植物の表面や個体内には数多くのバクテリアが生息しており、それらの中には植物の成長促進等の植物にとって有益な作用をもつものが知られています。そのような作用を引き起こす分子機構の解明を進めています。