植物分子遺伝学

スタッフ

鹿内 利治

職位
教授
部屋
理学部2号館210号室
Phone
075-753-4247
Fax
075-753-4257
Email
shikanai(at-mark)pmg.bot.kyoto-u.ac.jp

竹中 瑞樹

職位
准教授
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理学部2号館210号室
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075-753-4246
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075-753-4257
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mizuki.takenaka(at-mark)pmg.bot.kyoto-u.ac.jp

槻木 竜二

職位
助教
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理学部2号館222号室
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075-753-4147
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075-753-4257
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tsugeki.ryuji.5a(at-mark)kyoto-u.ac.jp

西村 芳樹

職位
助教
部屋
理学部2号館222号室
Phone
075-753-4147
Fax
075-753-4257
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yoshiki(at-mark)pmg.bot.kyoto-u.ac.jp

研究内容

1.光合成電子伝達の調節に関する研究

(1) 葉緑体プロトン駆動力制御の研究

光合成は、太陽の光エネルギーを生命が利用できる化学エネルギーに変換しますが、過剰な光エネルギーの受容は、活性酸素の生成を介して光合成装置を破壊します。植物は、この光障害を回避し、最大光合活性を維持するため、光合成電子伝達を調節しています。この分子メカニズムの解明を目指しています。

図1 光合成電子伝達制御の可視化

2.植物ミトコンドリアや葉緑体のRNA編集機構

陸上植物のミトコンドリアと葉緑体のRNA編集はRNA配列上の特定のシチジン(C)がウリジン(U)に変換されるもので、正常なオルガネラタンパク質の機能発現に不可欠です。これまで編集されるCの特異的選択に必要なPPRタンパク質や数十カ所のRNA編集部位に関与するMORFタンパク質など数々のRNA編集因子を同定してきました。現在RNA編集の最大の謎の一つである酵素活性を持つタンパク質を含む、新なRNA編集因子の同定を目指すと共に、それぞれの因子がRNA編集にどう関与しているのか解析を進めています。またこれらの因子を組み合わせることにより、活性を持つRNA編集複合体の再構築を目指しています。

図2:RNA編集複合体のモデル。複数のPPRタンパク質やMORFタンパク質が関与している。

3.植物幹細胞の研究

植物の発生の特徴的な点は、器官の形成が胚発生の後にくり返し行われることにあります。植物の器官形成や幹細胞維持に重要な遺伝子の同定と解析を進めています。

図3 図の青い部分が幹細胞の集まりで、葉などの器官はここから作られます。

4.葉緑体やミトコンドリアがもつ染色体の研究

葉緑体やミトコンドリアは独自のDNAをもっています。これら葉緑体/ミトコンドリアDNAは多様なタンパク質と結合することで「核様体」を形成しています。葉緑体/ミトコンドリア核様体は、細胞核における染色体のように、葉緑体/ミトコンドリアDNAの複製、修復、遺伝子発現、遺伝の機能的中枢であり、光合成や呼吸をはじめとした生命活動の中枢を支えています。私たちは、これら葉緑体/ミトコンドリア核様体の構造、機能、進化に迫りたいと考えています。

図4  Holliday ジャンクション解離酵素の欠損変異体における葉緑体核様体(黄色輝点:矢印)の不均等分配(上図)。DNAオリガミと高速原子間力顕微鏡技術によって可視化されたHolliday ジャンクション(下図左)と解離酵素(下図中央矢印)による切断(下図右)の様子。