分子発生学

基幹講座

高次情報形成学講座 生体情報発生分野

スタッフ

川口真也

職位
教授
部屋
理学部1号館218号室
Phone
075-753-4200
Fax
075-753-4229
Email
kawaguchi.shinya.7m(at mark)kyoto-u.ac.jp

船山 典子

職位
准教授
部屋
理学部1号館217号室
Phone
075-753-3649
Fax
075-753-4203
Email
funayama(at mark)mdb.biophys.kyoto-u.ac.jp

研究内容

多細胞動物が複雑なかたちの体を環境に合わせ柔軟に構築する分子細胞機構

これまでの胚発生を主軸とした発生生物学では、「構成要素」としての細胞がどの様に並ぶかを制御する形態形成機構が研究されてきました。一方、私達はカイメン動物の骨格形成機構に着目し、細胞が「作り手」として働き、堅い物体(ケイ酸の針)を産生・運搬/配置・繋げ足すことでカイメンを形づくる骨格が建築されるという、全く予想外な形態形成の新規コンセプトを打ち立てました(Nakayama et al. 2015)。このコンセプトは、魚の鰭形成における針状コラーゲン結晶の産生・連結・大構造構築にも当てはまることが、最近他グループの研究で示されました(Kuroda et al. 2018)。即ち、細胞が働き手として堅い資材を繋げ、全体の形を構築する仕組みは、多細胞動物が持つ重要な形態形成機構だと分かってきました。私達は、このコンセプトでこそ理解できる、胚発生を越えたサイズの動物のからだの形作りがあることを示し、発生生物学に新たな視点を提示することを大目的に、カイメン骨格形成における細胞・分子機構の解明に独自の解析手法開発を通して取り組んでいます。

一方、サンゴや植物と同様にカイメン動物は固着生物のため、生息環境が違うと形態が異なるなど柔軟に形態形成できます。私達は、カイメンの形作りを理解するには、環境からの物理力(水流等)に対応する可塑的形態形成機構の解明が必須と考え、骨格形成の数理モデル構築を共同研究で取り入れるなど多角的な解析を行っています。骨格形成機構の何が個体形態の違いを生み出すかを数理モデルと実際の実験を組み合わせて明らかにし、最終的には、種ごとに多種多様なカイメン動物全体の形態形成機構を説明する統一的理解の確立を目指しています。

 

動物の発達に応じた神経回路形成・修飾の分子・細胞機構

神経細胞・ネットワークが発達したげっ歯類を用いて、発達に応じた機能と形態の変化をになう分子・細胞機構について、培養神経細胞や組織培養および動物個体を用いて解析しています。特に、神経細胞のはたらきとその発達・経験に応じた変化を捉える蛍光イメージング分子を独自開発し、複雑な神経ネットワークの時空間動態を光で捉えることに力を注いでいます。こうした技術を明確な神経細胞・回路をもたないカイメンにも適用して、分子動態をげっ歯類と比較することにより、神経系による情報処理システムの起源や進化を考察したいと考えています。