ゲノム多元統御学
スタッフ
西山 朋子
- 職位
- 教授
- 部屋
- 理学部1号館420号室
- Fax
- 075-753-4218
- nishiyama.tomoko.6p (at mark) kyoto-u.ac.jp
研究内容
生物のゲノムは、染色体という形をとって次世代の細胞に継承されていきます。たとえば約31億塩基対におよぶヒトゲノムDNAは、引き延ばすと約2mもの長さになると言われていますが、これがクロマチンという形をとることで、わずか直径数マイクロメートルの細胞核の中に収納されています。DNA合成期(S期)において核の中で複製されたゲノムは、分裂期においてさらに数千から一万倍に凝縮し、分裂期染色体を形作ります。これらの分裂期染色体は、長さ数マイクロメートルの分裂期スピンドルの中央に配置され、二つの娘細胞に均等に分配されます。ゲノムの複製から、凝縮・分配に至る一連の染色体構造変化は、秩序だった分子基盤とそのダイナミックな変換に基づいて制御されていると考えられます。また、染色体高次構造は、遺伝子発現制御に重要な役割を果たしており、その欠陥は遺伝性疾患を引き起こすことも知られています。しかしながら、それらの具体的な分子メカニズムの詳細は明らかにされていません。